研究概要 |
微量のCuとMuを添加した徐冷凝固Fe_2Si_5,基合金における共析変態のTTTダイアグラムを1173Kと873Kの間で求めることが出来た。そのダイアグラムの形状はCuの添加の有無に関わらずC型で表せることが分かった。2元合金における鼻の温度は1023K付近で、Cuを添加することによって50Kだけ上昇した。Cu添加はダイアダラムを著しく短時間側にシフトさせた。Cu添加合金における共析変態の開始時刻は鼻の温度で、Cu無添加のものの比べて240倍程度速くなった。共析変態で生じたSiの形状は無添加の場合の層状からCuを添加することにより粒状へと変化した。FeSi_2合金でも包析変態はCu添加によって促進された。これらの結果はSiの存在がβ化に対しては余り重要でないことを示唆している。ジョンソン・メール・アブラミの式によるβ相のkineticな解析によってCu添加は成長のメカニズムを変えるのではなく成長のkineticを変えると考えられた。Si分散粒子の大きさは1023K以下の温度での熱処理によって極めて微細になることが分かった。Fe_2Si_51Mn0.2Cu(p型)およびFe_2Si_51Co0.2Cu(n型)合金を長さ30mm、外径4mmのパイプ状に鋳造し、10-73Kで30min熱処理した後、都市ガスを流し、先端で燃焼させたところ、温度差約350Kで起電力約220mVを定常的に得ることが出来た。
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