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1998 年度 実績報告書

過電圧による電解鉄族金属系機能性薄膜のメゾスコピック構造の制御

研究課題

研究課題/領域番号 09650811
研究機関九州産業大学

研究代表者

秋山 徹也  九州産業大学, 工学部, 教授 (10136517)

キーワード電解析出 / コバルト / 過電圧 / 優先配向 / 硫酸塩浴 / 塩化物浴
研究概要

前年度は,電析Coの結晶配同性が過電圧に大きく影響されることを報告した。しかし,この過電圧には電極表面と照合電極のキャピラリー先端間の溶液抵抗に起因するオーム損のような直接電析反応に関与しない過電圧も含まれる。そこで,本年度は,カレント・インターラプタ法により抵抗過電圧を測定し、これを全過電圧から差し引くことにより,活性化過電圧のみを分離することから始めた。そして、求めた活性化過電圧と結晶配向性との間の相関を調べた。その結果,硫酸塩浴では,低過電圧領域では(002)面の優先配向が認められ,中過電圧領域で(110)面がそれぞれ優先配向した。この結果は,Pangarovが理論的に予想した二次元核生成理論とおおむね一致するが、高過電圧領域で予想される(100)、(112)面の優先配向は認められなかった。これは,高過電圧領域では電析の律速過程が電荷移動から物質移動へと変化し,そのため電析物が粉末状になったためと思われる。
また,浴中へのCl^-の添加は,結晶配向性に極めて大きな影響を与えた。すなわち,硫酸塩浴へのCl^-0.5mol/Lの添加で,過電圧の大きさにかかわらず,極めて強い(110)面の優先配向が認められた。この現象は、Cl^-の電極表面の特異吸着が報告されていることから,鉄族金属であるCoの反応中間種がCl^-を含む活性化複合体へと変化したことによるものと思われるが,この点に関しては今後のさらなる検討が必要である。
最後に,電析物の配向性に及ぼす膜厚の影響を調べた。その結果,塩化物および硫酸塩浴のいずれにおいても,膜厚の増加とともに結晶粒は素地の影響が少なくなり,電析条件に特有な配向性を有する組織に変化した。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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