平成9年度は、「複合反応場を用いるイオン導伝性薄膜形成」のための実験装置作成期間とした。この装置は大きく分け以下の部分に分割できる。(1)反応部、(2)原料供給部、(3)排気部、(4)減圧装置部、(5)プラズマ発生部である。このうち、(1)反応装置部、(2)原料供給部、(3)排気部については完成している。(1)排気部については、ベルジャーを採用し、原料ガスが基板上方から下方へ流れるように設計されている。また基板については直接加熱できるようにされており、基板温度に対して精度よく実験が行えるようになっている。(2)原料供給部は、オイルバスを用いたバブリング法による装置を作成した。(3)排気部については、コールドトラップ、イオン交換膜を通過さし、金属及び有機物の排出に対応できるようにした。今後、(3)減圧装置部については、各部位間のVCRによる接合、減圧試験を順次行っていく。その後、(4)プラズマ発生部については発生電極の作成、プラズマの発生条件の確定実験(マッチング)を行う。その後、原料ガスの分圧測定を行ったうえ、平成10年度は、膜の成膜実験、及び速度論的研究を行い、反応速度の各種変数、たとえば、プラズマ出力などによる速度定数の依存性について解明する。
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