研究概要 |
1. 昨年度に続き、銅一希土類合金の溶製に関する研究を行った。溶銅中への溶解度について希土類元素として9年度はLa,Nd,SmおよびCeを行ったが、本年度はSmおよびGdを選び、Ar雰囲気下、グラファイトるつぼにて1500-1800Kの温度域で銅-RE(希土類、以後RE)合金を溶解した。使用したREは炭化物が安定なため溶銅中へのREの溶解度は希土類炭化物の生成により飽和に達した。サンプリング試料のRE分析を行った結果、溶銅合金-グラファイト-RE炭化物の3凝縮相平衡で決まる溶銅中のREの溶解度はそれぞれ温度の関数として次式で与えられる結果を得ている。なお、Yに関しては確認実験を行っている。 log(mass%Y)=1.343+767.2/T (1523〜1723K) log(mass%Gd)=0.649+2.85×10^<-4>T (1573〜1773K) 2. 固体Cu-La-O,Cu-Nd-OおよびCu-Gd-Oの相関係を1000〜1300Kにおいて試料急冷後の粉末X線回折により求め、等温断面図を作成した。その結果、La系では複合酸化物としてLa_2CuO_4およびLaCuO_2が、Nd系ではNd_2CuO_4およびNdCuO_2が、Gd系ではGd_2CuO_4が存在することを明らかにした。また、それぞれの系内に存在する3凝縮相平衡に対してジルコニア固体電解質を用いて酸素分圧を測定し、それぞれの複合酸化物の安定に存在する領域を温度と酸素分圧の関数として求めた。 3. CU_xO-Gd_2O_3系の状態図の作成を0.21atmの酸素分圧下で示差熱分析および熱重量測定を併用して行っており、現在若干の確認実験を続行中である。
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