研究課題/領域番号 |
09650827
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
足立 基齊 京都大学, エネルギー理工学研究所, 講師 (50027140)
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研究分担者 |
塩井 章久 山形大学, 工学部, 助教授 (00154162)
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キーワード | 両親媒性分子 / 分子集合体 / 化学反応誘起型 / 構造形成 / 配向制御 / 液晶 / シリカ / 形成過程 |
研究概要 |
交付申請書に従い、(1)液晶組織の重合反応の進行による構造形成の研究、および、(2)正ミセル系におけるシリカナノ組織の構造形成に関する研究を実施した。(1)ジ(2 エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(AOT)-スチレン-水系に架橋剤(エチレングリコールジメタクリレイロト)を加えて重合しても、重合前の液晶構造を崩さず、逆ヘキサゴナル相の形成がみられ、少し堅い構造のものが得られた。高濃度の界面活性剤を使用した液晶系では、スチレンの重合反応が進行しても元の構造は維持されるので、重合後の構造予測が可能となる。次に、実用化のために重要であるが、困難な課題である逆ヘキサゴナル構造の配向制御について、電場による制御を検討した。AOT/キシレン/水系では、条件を整えれば円筒軸が電場の方向に配向することが確認された。今後、重合系への拡張が課題となる。(2)昨年、ラウリルアミン(LA)/テトラエトキシシラン(TEOS)系について、酸性条件でシリカのナノチューブが形成されることを報告した。本年はこの形成過程を、SAXS、TEM、SEM、窒素吸着等温線、Si-29NMRを用いて解析し、解明した。更に、pH変化による構造変化が、TEOSの加水分解反応および縮重合反応速度のpH依存性、及び、LAの存在状態のpH依存性を考慮すれば理解できることを示した。また、ナノサイズの単位構造が集積した秩序構造体の形成は、pH10-11の狭い領域でのみ起こるが、その形成には、油水の液液界面が本質的に重要な役割を果たしていることを、SAXS、界面張力の測定により明らかにした。また、チタニアナノチューブもLA/テトライソプロピルオルトチタネート-アセチルアセトン系で合成され、高い光触媒活性を示すことが明らかとなった。
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