研究課題/領域番号 |
09650837
|
研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松本 賢治 (福地 賢治) 宇部工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (00117235)
|
研究分担者 |
荒井 康彦 九州大学, 工学部, 教授 (50005435)
|
キーワード | 相平衡 / 無限希釈活量係数 / ガス・ストリッピング法 / エーテル / アルコール / 炭化水素 / 水 / グループ寄与法 |
研究概要 |
本研究の平成9年度設備備品で購入したガスクロマトグラフ(GLサイエンス GC-390BDDTF(F))と冷凍機付き恒温水槽(トーマスTRL-Nl1)を用いて、精度良く、再現性のある無限希釈活量係数を測定できる装置を作製した。さらに、本年度は、再現性のある精度の高いデータを測定するために、10年度設備備品で購入したリモートタイマー(GLサイエンスRT-730C)とスーパーオイルフリーベビコン(GLサイエンス0.2LP-7S)に接続したエアー駆動の自動六方コック(GLサイエンスAR-TSF-6)を用いて、装置の改良を行った。本研究では、種々の溶媒中の溶質の揮発性を調べることが目的であり、この改良により効率のよいデータの集積が可能となった。アルコール(1-オクタノール、l-デカノール、1-ドデカノール)溶媒中のエーテル類(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリ-ブチルエーテル)の測定を10〜30℃で行った。さらに、追加の溶質として水、ジプロピルエーテル、溶媒として水やアルコール(1-デカノールなど)の実験を計画し、1-デカノール中の水の測定と水中のエーテル類(ジエチルエーテル、メチルターシャリ-ブチルエーテル)の測定を20〜40℃で行った(福地)。 理論解析については、一般に用いられるASOG式の適用を試みたところ、十分な精度で計算することができなかった。そこで、無限希釈活量係数の正確な推算を可能とするグループ寄与法を新たに開発した。問題とされている置換基の位置や分子全体の構造をも反映させたグループ寄与法を構築した。さらに、溶質および溶媒としての水の挙動を含む一般的な推算手法を確立する必要があり、現在引続き検討中である(荒井)。 研究成果は、アルコール溶媒中のエーテル類の測定および相関をIUPACの第15回化学熱力学国際会議(平成10年7月、ポルトガル)、水を含む系の測定および相関の一部を化学工学会年会(平成11年3月)に発表し、理論解析の一部を化学工学会英文誌(J.Chem.Eng.Japan)に発表した。
|