研究概要 |
平成9年度は、炭化水素(オクタン、テトラデカン、ヘキサデカン)中のアルコール類、エテール類などの無限希釈活量係数を系統的に集積した。溶質としては、アルコール(メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなど)、エテール類(ジェチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテルなど)をとりあげ、測定を10〜80℃で行った。平成10・11年度は、アルコール(1-オクタノール、1-デカノール、1-ドデカノール)溶液中のエーテル類(ジェチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル)の測定を10〜30℃で行った。さらに、追加の溶質して水、ジプロピルエーテル、ビス(2,2,2-トリフルオロエチル)エーテル、溶媒として水やアルコール(1-デカノールなど)の実験を計画し、1-デカノール中の水の測定と水中のエーテル類(ジエチルエーテル、メチルターシャリーブチルエーテル)の測定を20〜40℃で行った。理論解析については、一般に用いられるUNIFAC式とASOG式の適用を試みたところ、十分な精度で計算することができなかった。そこで、無限希釈活量係数の正確な推算を可能とするグループ寄与法を新たに開発することを試み、異性体も十分適用可能な修正ASOG法を提案した。 以上、この3年間の15報を掲載した研究成果報告書を作製した。今後の課題として、現在環境に優しい代替フロンとして注目されているフルオロエーテル類の揮発性に関する研究と、水溶媒中の他の有機化合物、アルカンおよびアルコール溶媒中の水の無限希釈活量係数測定を系統的に行い、一般性のある無限希釈活量係数推算モデルの提案が必要となる。
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