研究課題/領域番号 |
09650843
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
須藤 雅夫 静岡大学, 工学部, 教授 (80154615)
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研究分担者 |
木村 元彦 静岡大学, 工学部, 講師 (20195382)
溝口 健作 静岡大学, 工学部, 教授 (60293601)
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キーワード | 人工すい臓 / イオントフォレシス / DDS / ゲル膜 / ポリピロール / 荷電膜 / アミノ酸 / イオンゲート |
研究概要 |
電解重合ポリピロール膜は、酸化状態で、正の電荷を帯びている。正電荷を固定電荷としてみれば、陰イオン交換膜として働く。正電荷は、電気化学的ドープ及び脱ドープすることによって、正電荷密度を電気的に制御する事ができる。電気的荷電制御膜(Charge-Controllable Membrane)を用いたイオントフォレシスの操作を分類する。Matrix typeでは、ドープされた薬剤が電気的脱ドープにより放出される。Diffusion dialysis(拡散透析)type及びElectro-dialysis(電気透析)typeでは、荷電制御膜の荷電特性によりイオンゲート効果を示し、薬剤放出を制御する。 金電極(ATcut,5MHz、電極の直径7mm)の水晶発振子を使用し、100mol・m^<-3>のピロールと100mol・m^<-3>のドーパント種を含む塩水溶液を調製し、定電流電解(2、20A・m^<-2>)で金電極の片面に重合膜を得た。重合電気量は、1000C・m^<-2>とした。ドーパント種は、低分子イオン、中分子イオン、及び高分子イオンを種々に実験する。目的で述べたように、ドーパント種のイオン半径、移動度、及びド-ピング条件により得られた膜の電気化学的特性及びイオン透過特性が制御出来る可能性がある。製膜後、各種の水溶液を用いて、定電流密度(10μA・cm^<-2>)での脱ドープ及びドープ時の質量変化を水晶発振子ナノグラム検出装置(Quartz Crystal Nanobalance)で測定する。周波数の減衰変化が膜の質量負荷変化量に対応している。従って、1Hzの変化が数ナノグラムの変化に対応する。イオン透過流束を増加させるには、ドーパント種を低分子量イオンから、中分子イオン及び高分子イオンへと変化させる事により形成される流路により、膜内構造を多孔質に設計する必要があることが分かった。
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