研究概要 |
本研究の目的は、「光電子放出帯電による半導体製造真空プロセスにおける微粒子除去技術」の実用化に必要な基礎データの集積にある。二年目である本年度は、(1)昨年度作成した「UV/光電子放出による微粒子帯電装置」によるSiO_2粒子の帯電実験を100〜10torrの圧力場で行った。粒径を16,40.4,80.8nmと変えたところ、粒子の帯電量は粒径に比例して増加した。また、ランプの数を1本から2本に増やすと、粒子の帯電量は2倍に増加した。以上の結果から、UV照射による粒子からの光電子放出が起こっていることがわかる。また、粒子の帯電量は圧力の減少により増加し、流量の変化には無関係であった。前者は、圧力が減少することにより185nmの光電子放出に関与する波長を吸収する酸素分子が少なくなり、粒子からの光電子放出が増えたものと考えられる。後者は、光電子放出はUVの照射時間に左右されないことを意味する。(2)ZnO粒子からの光電子放出を確認し、最適UV波長を決定するため、ZnO薄膜を作成し、UV照射実験を行った。SiO_2の場合と同様に、波長185nmのUV照射においてZnO薄膜からの光電子放出が確認された。(3)「UV/光電子放出による微粒子帯電装置」の帯電現象をシミュレーションするため、減圧帯電装置内における気流の速度分布計算を熱流体解析ソフトを用いて行った。(4)ZnCl_2を原料にしたZnO粒子の発生装置(蒸発-酸化反応型)を試作し、粒径100〜200nmのアモルファスZnO粒子の発生を確認した。
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