研究概要 |
本研究では、地球環境改善のための高性能ゼオライト系脱硫触媒を開発・設計するために、ゼオライトおよびその関連物質である架橋したスメクタイト系粘土化合物に種々の貴金属(Pt,Pd,Rh,Ru,Ir,Au)を担持した触媒を調製し、これらの触媒上での高沸点有機硫黄化合物であるチオフェン系有機硫黄化合物(チオフェンおよびベンゾチオフェン)の水素化分解(脱硫)反応特性を検討した。なお、本研究では、ゼオライトとしてZSM-5,FSM-16,MCM-41および架橋スメクタイト系粘土化合物として架橋モンモリロナイト,架橋ヘクトライト,架橋サポナイトを用いた。 この結果、これらの有機硫黄化合物はゼオライトおよび架橋粘土化合物に貴金属である白金(Pt)を担持した触媒上で高い水素化分解(脱硫)反応性を示すことが明らかとなった。この原因は、これらのチオフェン系有機硫黄化合物はゼオライトおよび架橋粘土化合物上の酸点と強く相互作用して活性化された状態になる。一方、水素は白金(Pt)上で活性化され、スピルオーバー水素を生成する。生成したスピルオーバー水素は酸点上で活性化されたチオフェン系有機硫黄化合物分子を攻撃するために水素化脱硫反応が効率よく進行することが明らかとなった。
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