研究概要 |
鉄二置換γ-Keggin型タングストケイ酸塩,[γ-SiW_<10>Fe_2O_<38>]^<6->を新規に合成し、FT-IR,UV-vis,TG/DTA,元素分析,FAB-MS ^<183>W NMR,ESR,メスバウアーなどでキャラクタリゼーションを行い、その構造および組成を確認した。例えば、重アセトニトリル中で測定した^<183> WNMRスペクトルには、-1334と-1847ppmに強度比が2:1の2本線スペクトルが現れた。このスペクトルパターンは、その構造が報告されているマンガン二置換体のものと一致しており、置換された2個の鉄は、陵共有した2核サイトであると推論した。さらに、UV-vis,FT-IRスペクトル結果より、この化合物はC_<2v>対称のγ-Keggin型構造を保持していることを確認した。また、磁化率、ESR、メスバウアー、UV-visスペクトルより、置換された2個の鉄は、等価であり、3価の高スピン状態であることを確認した。 この鉄二置換γ-Keggin型ヘテロポリアニオンを触媒とした過酸化水素によるシクロヘキサン、n-ヘキサン、n-ペンタンおよびアダマンタン等の種々のアルカンの酸化を行った。主生成物は、いずれの基質においても、アルコールとケトンであった。反応温度32℃で、96時間後の転化率はそれぞれ、25,15,9,42%であった。また、過酸化水素の有効利用率はそれぞれ、【greater than or equal】98,83,74,【greater than or equal】98%であり、いずれの基
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