研究概要 |
(1) 0〜3鉄置換タングストケイ酸塩を合成した。それらの触媒を用いて,過酸化水素を酸化剤としてアルカンの酸化を行うと、鉄2置換体が最も高い活性および過酸化水素の有効利用率を示した:鉄2置換体は、シクロヘキサンの酸化に対して過酸化水素の有効利用率が100%を示しただけでなく、n-ヘキサン、n-ペンタン、アダマンタンの酸化に対しても過酸化水素の高い有効利用率を示した。これまでに過酸化水素有効利用率が100%を示した例は報告されていない。さらに,鉄二置換体はメタンの酸化に対しても活性を示した。鉄2置換体は,過酸化水素存在下で安定であり、本反応条件下で劣化しないことをUV-vis、IRなどのキャラクタリゼーションにより示唆された。 (2) Keggin型のへテロポリモリブデン酸塩がイソブタンの分子状酸素による選択的酸化反応の触媒となることを見出した。CsとVの最適置換量はそれぞれ2.5と1であり、さらにNi添加により触媒活性が向上した.Ni添加量の最適値は0.08であった。イソブタン酸化は表面型の反応で,触媒の酸化力が活性支配因子の一つであることが示された。プロパンのアクリル酸への酸化やエタンのエテンへの酸化もCs_<2.5>Ni_<0.08>H_<1.34>PVMo_<11>O_<40>により促進された。
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