研究課題/領域番号 |
09650866
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
酒井 保蔵 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70186998)
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研究分担者 |
加藤 紀弘 宇都宮大学, 工学部, 助手 (00261818)
高橋 不二雄 宇都宮大学, 工学部, 教授 (30016729)
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キーワード | 固定化酵素 / 交番磁場 / 強磁性粉 / 反応促進 / ホリアクリルアミドゲル / 反応制御 / ガラクトシダーゼ |
研究概要 |
本研究の目的は磁場を用いて固定化酵素の活性を磁気制御するための基礎的知見を積み上げることである。 ポリアクリルアミドゲルに磁性粉としてSr-Ba-フェライト、酵素としてβ-D-ガラクトシダーゼを包括固定化し、カラムに充填して、基質溶液を流しながら外部から交番磁場を印加した。そのときのカラム反応液中の反応生成物濃度変化を調べた。現在までのところ、本研究で提案した固定化酵素の磁気的な活性制御のシステムは今までにない大きな活性増加の効果が得られることが分かった。 いかに述べる、ここまでの結果をまとめて、現在、Biotechnology and Bioengineeringに投稿中である。 (1)強磁性粉を20%〜50%含む固定化酵素ゲルを交番磁場にさらすと、みかけ酵素活性が磁場を印加する前に比べて、最大3倍以上に増加することが分かった。 (2)活性の変化は磁場を印加すると速やかに増加し、磁場印加を中止すると、再び速やかにもとの活性まで戻るので、制御が容易である。 (3)活性増加させるための投入エネルギーは実験装置程度の規模の場合で1W以下と省エネルギーである。 (4)固定化酵素担体のアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド濃度を変えて、ゲルの硬さを変化させたところ、架橋度の小さいゲルのほうが、磁場の制御が容易であった。一方で、ゲルの固さの影響は小さい。 (5)外部交番磁場周波数および磁場強度のいずれを変化させても、酵素活性の増加率を変えることができた。 (6)ゲルは見かけ動かないので、ゲル自身の回転などによる磨耗が原因となるゲルの劣化は起こらなかった。
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