研究課題/領域番号 |
09650878
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
簗瀬 英司 鳥取大学, 工学部, 教授 (20158033)
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研究分担者 |
岡本 賢治 鳥取大学, 工学部, 助手 (80283969)
喜多 恵子 鳥取大学, 工学部, 助教授 (70234226)
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キーワード | ABC exporter / General secretion pathway / Invertase / Levansucrase / Secretion / Signal peptide / Transcriptional activator / Zymomonas mobilis |
研究概要 |
本研究は、醸造用細菌であるダラム陰性のZymomonas mobilisのシグナルペプチド非依存型分泌機構を解明することにより、本菌を用いた高効率なタンパク質の分泌生産を目的としている。昨年度までに、Z.mobilisが菌体外に分泌する2種のスクロース分解酵素遺伝子を転写活性化する遺伝子(zliE)とそれらの酵素の分泌を促進する遺伝子(zliS)をクローン化して遺伝子解析を行った。本年度は、zliSの機能をグラム陰性細菌である大腸菌とZ.mobilis細胞を用いて解析した。大腸菌内でのzliSの発現は致死的に作用することなく、zliSタンパク質は細胞膜に局在することにより膜構造を緩め、細胞質膜および細胞質内からの酵素の漏出を促進することを見出した。 すなわち、zliS発現を制御することにより大腸菌細胞を宿主とした酵素の菌体外生産が可能であることが示唆された。Z.mobilis内でのzliS発現はZ.mobilisの細胞表層に局在するシグナルペプチド非依存型分泌酵素である2種のスクロース分解酵素の遊離に働き、大腸菌細胞内での機能とは異なることが明らかになった。さらに、菌体外スクロース分解酵素遺伝子近傍のgene walking解析から、Z.mobilisにおける分泌酵素が既報のシグナルペプチド非依存型分泌機構(ABCエキスポーター)とは異なる機構で菌体外に生産されていることを推定した。 現在、分泌に関与する因子を検索するために、分泌促進に機能するzliS近傍のgene walkingを行っている。
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