研究課題/領域番号 |
09650887
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
豊田 太郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40217576)
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研究分担者 |
沈 青 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50282926)
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キーワード | 量子とじこめ効果 / GeO_2ガラス / CdSe超微結晶 / フラクタル状TiO_2 / 吸着CdS超微結晶 / 光熱変換現象 / 光音響スペクトル / 光電流スペクトル |
研究概要 |
平成10年度は平成9年度に引き続き、半導体超微結晶作製法の検討と評価を行なった。 1. ガラス中熱処理法 Na_2GeO_3を8mol%添加剤としたGeO_2ガラスを作製した後、CdとSe粉末を混入したものを真空中で溶解し(温度:1180℃)、その後様々な熱処理を試みたが爆発、分離、粉体化等の問題が生じ前半は半導体超微結晶作製には至らなかった。最終的に、GeO_2ガラスとCdSe粉末(0.8mol%)を混ぜたものを空気中で溶解することで、CdSe超微結晶が得られることが判明した(直径数nm程度)。その後550℃で熱処理時間を変えることで超微結晶が成長し、量子化された電子状態から次第にバルクの状態へ移行していくことが、光音響スペクトル測定から判明した。またこの系に対するレーザ光照射予備的実験では、半導体超微結晶の界面に関係するフォトダークニング効果が観測されている。 2. フラクタル吸着法 平成9年度同様に、フラクタル状TiO_2の作製と、CdS超微結晶の吸着を試みた。平成9年度はTi板上に作製されたTiO_2の面内分布に不均一が見られたが、本年度はTi板上に滴下した溶液の接触を均一になるように工夫した結果、面内分布の均一性の向上が図れた。電圧印加処理により作製されたフラクタル状TiO_2では、処理を施さないものに比べ約3倍の光電流の増加が観測された。光音響スペクトル測定から、電圧印加処理を施したものでは、その吸収端近傍での信号強度の変調周波数依存性に異常が見られた。今後は、無輻射遷移と光電流増加との相関について検討を行う予定である。CdS吸着層の増加に伴い光電流は増加し、ほぼ3層程度で最大となり、それ以上の吸着では逆に減少することが判明した。その結果、以前よりは少ない吸着行程回数で分光増感が可能となった。3層吸着ではCdS超微結晶直径は数nm程度であり、超微結晶化に伴う量子サイズ効果が光音響スペクトル測定から観測されている。今後は量子サイズ効果と電子移動との相関について検討を行なう予定である。
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