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1997 年度 実績報告書

水中で発色応答するアルカリ金属イオンプローブの分子設計とその反応場の構築

研究課題

研究課題/領域番号 09650893
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東北大学

研究代表者

早下 隆士  東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70183564)

研究分担者 高木 誠  九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90037739)
西沢 精一  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40281969)
内田 達也  東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30261548)
キーワード比色分析 / クラウンエーテル / クロモイオノフォア / アルカリ金属イオン / ミセル / 発色機構
研究概要

本研究では、高性能なアルカリ金属イオンプローブの開発を目的として、新しいクラウンエーテル型クロモイオノフォアの分子設計と、ミセル反応場の利用について検討を行った。ミセル溶液は良く知られるように、水中でミクロな疎水場を形成する。このような反応場を用いれば、疎水性のクロモイオノフォアを水中に可溶化し、ジオキサン-水系と同様なアルカリ金属イオンの比色分析が水溶液中で期待できる。またミセルの表面電荷がどのように反応挙動に影響を与えるかは、興味ある課題である。そこで界面活性剤にカチオン性の臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)、中性のポリオキシエチレン鎖を有するTritonX-100、およびアニオン性のドデシル硫酸テトラメチルアンモニウム(TMADS)の各10.0mM水溶液を用い、0.1Mアルカリ金属イオン存在下でのDB16C5型クロモイオノフォアの発色応答挙動について検討した。いずれの系もpHの増加とともに酸解離に基づく長波長側の吸収(405nm〜408nm)の増加が見られた。CTABを用いて系では、ミセル表面の正荷電の影響を強く受けクロモイオノフォアの酸解離が促進されるために、見かけの酸解離定数は低い値を示すが、選択的な応答は全く見られなかった。ノニオン性界面活性剤であるTritonX-100を用いた系では、オキシエチレン鎖とフェノールプロトンとの相互作用により、見かけのK_<ex>は比較的高い値を示し、Na^+存在下ではわずかなpK_a値の低下しか認められなかった。一方、アニオン性界面活性剤であるTMADSを用いた場合にのみ、クロモイオノフォアはNa^+選択的な発色挙動を示すことが明らかとなった。以上のように、アニオン性のミセルを用いると、その表面電荷の効果に基づいて、水-ジオキサン系では見られない高いアルカリ金属イオン選択性の発現が可能であることを見出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] T.Hayashita, N.Teramae, T.Kuboyama, M.Takagi et al.: "“Chromoionophores Based on Crown Ethers and Related Structures for Alkali Metal Ion Sensing in Aqueous Media"" J.Incl.Phen.(in press). (1998)

  • [文献書誌] T.Kuboyama, S.Nakamura, M, Takagi, T.Hayashita et al.: "“Selective Colorimetry of Sodium Ion in Anionic Micellar Solution Containing Dibenzo-16-crown-5 Chromoionophore"" Chem.Lett.,. (in press). (1998)

  • [文献書誌] R.A.Bartsch, T.Hayashita: "“Metal Ion Separations with Lariat Ether Ion-Exchange Resins"" ACS Symposiun Series ; ACS Books : Washington,DC. (in press). (1998)

  • [文献書誌] T.Hayashita, K.Kunogi, H.Yamamoto, S.Shinkai et al.: "“Selective Colorimetry of Sodium Ion in Acidic Aqueous Media by Calix[4]crown Chromoionophore"" Anal.Sci.13. 161-166 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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