研究概要 |
1.高活性塩基触媒を用いる固相反応場の構築 (1)塩基性金属酸化物(MgO,MaO)を過酸化水素で処理して得られる過酸化物(MgO_2,BaO_2)は、アルカリや酸化剤を必要としないルミノール及びルシゲニンCLの固相反応場として有用であることを明らかにした。実際に、カルボン酸のルミノール誘導体のポストカラムCL検出に成功した。又、BaOをペルオキソー硫酸塩溶液及び亜硝酸イオンを含む過酸化水素溶液で処理するとBaO上に酸化性活性種が安定に生成することを見い出し、ルミノール及び核酸塩基類に対してそれぞれ有効な固相反応場として利用できることを明らかにした。 (2)種々の試薬をイオン交換により固定化した強塩基性陰イオン交感樹脂はセンサー素子として有用であるこをを明らかにした。例えば、ルミノールを固定化した酸素ガスセンサー素子を構築し、窒素ガス及び都市ガス中のppmレベルの酸素の定量を行った。 2.機能性界面活性剤ニ分子膜を用いる固相反応場の構築 ポリスチレン、ゾル-ゲルシリカ、あるいはパラフィンの表面に界面活性剤ニ分子膜とオクタデシル基を導入したMn(III)-ポルフィリン錯体触媒を固定化した固相反応場はアドレナリンセンサー素子として使用できることを示した。実際に、薬剤中のアドレナリンの定量に応用し、その有用性を証明した。なお耐久性にやや問題あり、改善が望まれる。 3.固相反応場のキャラクタリぜーション ESRスペクトル、反射スペクトル、及び化学的方法により酸化性活性種の同定を行った。MgO_2及びBaO_2上にはそれぞれ酸化性活性種として水酸化ラジカル(OH)及びスーパーオキシドラジカル(O^-_2)が安定に存在していることが明らかになった。又、ペルオキソー硫酸塩溶液及び亜硝酸イオンを含む過酸化水素溶液で処理したBaO上には新たな強酸化性活性種である硫酸イオンラジカル(SO^-_4)及び二酸化窒素ラジカル(NO_2)がそれぞれ固定化されていることが確認された。
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