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1997 年度 実績報告書

モリブデン・ポリシラザン高分子からのセラミックス合成

研究課題

研究課題/領域番号 09650918
研究種目

基盤研究(C)

研究機関室蘭工業大学

研究代表者

佐々木 眞  室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (70187128)

キーワード有機高分子前駆体法 / Mo-Si-C-Nセラミックス / Mo-Si-Cセラミックス / 非晶質 / アンモノリシス / 耐食性 / C / Cコンポジット / コーティング
研究概要

Si-C-N-Hからなるポリシラザンにモリブデンを添加して得られるMo-Si-C-N-H高分子を前駆体とし、熱処理することでセラミックス化する前駆体法は成型性や焼結助剤を必要としない点に優れている。本研究では、これらを溶液法で行い、被覆材料としての機能を有するセラミックスの作製および合成時に生成される塩化アンモニウムの抑制を目的とした。
モリブデンを添加する原料には五塩化モリブデンを用いた。これをキシレン溶液に溶解し、ポリシラザンと333K、24h、Ar雰囲気で還流してMo-Si-C-H高分子を合成した。次に、同高分子の溶媒除去を行い、不融化処理として、693K、4h、Ar雰囲気で架橋してから、1273K、4h、Ar雰囲気で熱処理してMo-Si-Cセラミックスを作製した。次に、五塩化モリブデンをクロロホルムに溶解し、アンモニアガスを導入した。副生成物を濾過・除去後、モリブデン・アンモニウムイオンをポリシラザン・クロロフォルム溶液に滴下し、333K、24h、Ar雰囲気で還流してMo-Si-C-N-H高分子を合成した。同様に溶媒除去、架橋、熱処理を行った。その構造変化をFT-IR、XRD、元素分析を用いて調べた。
五塩化モリブデンとアンモニアとの反応時にできる副生成物は、濾過後のFT-IR結果より塩化アンモニウムであると確認された。合成後のFT-IR測定を行った結果、1400、3100(cm^<-1>)付近のNH_4Clに関すると思われるN-Hの吸収の大きな減少が確認できた。また、XRDの結果では、NH_4Clのピークは極めて小さなものであった。このことから、ほぼNH_4Clの生成を抑制できたと考えられる。熱処理後のXRDを行った結果、Mo、Mo_2C相はできず、わずかにMo_3C_2相を含む非晶質セラミックス合成された。元素分析結果より、窒素の減少を抑制していることがわかった。アンモニアガスを導入しない場合では、ポリシラザン中の窒素が五塩化モリブデン中の塩素を反応することでポリシラザンから離脱し、その結果Mo-Si-Cセラミックスが生成したと考えられる。高分子合成時のアンモノリシスにより窒素の離脱が抑制され、最終的にMo-Si-C-Nセラミックスが初めて合成された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 佐々木 眞: "高分子からの機能性セラミックス合成" 工業加熱. 34・5. 65-73 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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