アモルファス状の水酸化亜鉛と有機カルボン酸との反応から、有機-無機層状複合体を形成する有機誘導体型の組織体形成反応について様々な検討を行った。反応は室温から80℃くらいまでの比較的温和な条件で進行したが、溶媒を選定することで、かなりかさ高い有機化合物も反応し、COO-金属結合を生成することが確認された。またXRDにて組織体の結晶構造についての情報を得、さらにSEMやTEMで複合体の形態等について詳細な検討を行い、得られた組織体が有機化合物の種類・量および溶剤の種類によって板状あるいは繊維状形態を示す層状物質であることが分った。層間距離と有機化合物の大きさから、有機モノカルボン酸は層内部で二層で存在していることが分り、またジカルボン酸と反応させて得られた組織体の層間距離からは、架橋構造体が生成していることが分った。様々な官能基を有する有機カルボン酸で繊維状化合物を得、さらにアミン等の溶剤を少量添加をしたところ、繊維状化合物がさらに集合体を形成し、三次元構造体となることを見いだした。これら物質は多数の吸着部位を有しており、効率良く有機溶剤を吸着することがわかった。また、アゾ系の色素であるカルボン酸も金属水酸化物と反応し、複合体を形成することが分った。
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