研究概要 |
希土類硝酸塩溶液(0.2M)をCe:R=4:1(モル比,R=Yb,Y,Gd,Sm,Nd,La)となるように混合し、これをシュウ酸溶液(0.4M)に滴下し希土類シュウ酸塩を沈殿させた。X線回折、示差熱重量分析から、希土類元素はシュウ酸セリウムに固溶していることがわかった。これを空気中、600℃で焼成すると希土類酸化物固溶セリアが得られた。酸化物はアスペクト比が小さい板状粒子で、メディアン径は1.7〜2.8μmであった。シュウ酸塩および酸化物ともメディアン径はシュウ酸塩濃度の0.4Mで極小値を示した。濃度が高くなると核生成速度が増大し粒径が小さくなるが、0.55M以上では核生成速度が大きすぎるために粒子の凝集が起こり、粒子が大きくなると考えられる。 希土類イオン半径の増加に伴い、希土類酸化物固溶セリアの格子定数は増加した。固溶で生じる格子欠陥は空孔型と格子間侵入型の二つモデルがある。モデルから計算した密度と実測値の比較より、空孔モデルが支持され、酸素イオン電導に必要な酸素空孔が生成したことがわかった。600℃仮焼粉体は、一軸加圧(49MPa)+等方加圧(196MPa)の乾式成形により、相対密度が50〜60%となった。この成形体は焼結温度1200℃で相対密度95%に達し、1600℃では98%以上の緻密な焼結体が得られた。焼結体組織は3〜5μmの均一な粒子から成っていた。これらの焼結体を電気物性を評価し、焼結体組織との関係を検討する予定である。
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