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1998 年度 実績報告書

分子内エン反応による複素7員環化合物の立体選択的合成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09650940
研究機関山口大学

研究代表者

野口 三千彦  山口大学, 工学部, 教授 (10108772)

研究分担者 西田 晶子  山口大学, 工学部, 助手 (70144920)
山本 豪紀  山口大学, 工学部, 講師 (70264116)
キーワードアゼピン環形成反応 / 分子内タイプIIIエン反応 / カルボニルエン反応 / イミンエン反応 / オレフィンエン反応 / 1,6-水素移動 / 共役アゾメチンイリド / 1,7-電子環状反応
研究概要

隣接位にアルケニルアミノ基を有する複素環アルデヒドやそのイミンが熱的に異性化を起こし複素環が縮合したアゼピン環を立体選択的に与えることからこの研究はスタートした。本アゼピン環形成反応はアルデヒドカルボニルやイミンをエノフィルとするTypeIII型の分子内エン反応に分類できることや、反応はアリル水素をカルボニル酸素やイミン窒素原子が引き抜いて(1,6-水素移動)生成する共役アゾメチンイリド中間体の1,7-電子環状反応から成っていることを明らかにしてきた。研究期間中に、カルポニルやイミンとともに炭素-炭素2重結合をエノフィルとするオレフィンエン反応によるアゼピン環合成や、反応の場を複素環アルデヒドから鎖状のβ- (アルケニルアミノ)アクロレイン体へと拡張することを計画した。
複素環周辺部でのオレフィンエン反応はヘテロDiels-Alder反応と競合することがわかった。本エン反応には酸による触媒効果はなく、むしろ酸によって反応様式がエン反応から(ヘテロ)Diels-Alder反応や環化反応へと変化することがわかった。一方、鎖状のβ-(アルケニルアミノ)アクロレイン体でのカルボニル、イミンおよびオレフィンエン反応も可能であり、単環性のアゼピン体の立体選択的な合成が行えることを明らかにした。鎖状系のアクロレイン誘導体の反応性はα一位の置換基(Z)によってかなり異なり、Zがシアノ基よりメトキシカルボニル基のほうが高い反応性を示したがその理由については現在のところ推定の域を超えず今後の検討にゆだねることとなった。反応経路についての更なる情報を得るために、アルケニルアミノ部にキラリティを有するようなアクロレイン誘導体のエン反応においてキラリティはほとんど100%アゼピン環に転送されており、反応がほとんど協奏的に近い経路で進行していることを確認した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 野口 三千彦: "分子内エン反応による立体選択的アゼピン環合成" 有機合成化学協会誌. 55巻・8号. 725-733 (1997)

  • [文献書誌] M.Noguchi: "Acid-Catalyzed 〔4+2〕 Cycloaddition Reaction of 2-(Alk-2-enyl)amino-3-(N-arylimino)-methyl-4-oxo-4H-pyrido〔1,2-a〕pyrimidines" Bull.Chem.Soc.Jpn.70巻・9号. 2201-2207 (1997)

  • [文献書誌] M.Noguchi: "A novel and regioselective pyridine-ring formation by Lewis acid-induced cyclisation of 2-(N-allylbenzylamino)-3-〔2,2,-bis(ethoxycarbonyl)vinyl〕pyrido〔1,2-a〕pyrimidin-4(4H)-one" J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1. 20号. 3327-3329 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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