研究概要 |
4種類の非架橋型ジルコノセンジメチル錯体,ビス(η^5-シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム(1),(η^5-シクロペンタジエニル)(η^5-フルオレニル)ジメチルジルコニウム(2),ビス(η^5-インデニル)ジメチルジルコニウム(3),(η^5-シクロペンタジエニル)(η^5-ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム(4)を合成し,トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートと反応させメチルカチオン種に誘導した.これらのジルコノセン錯体触媒を用いメタクリル酸メチル重合を行い,シクロペンタジエニル配位子が重合に及ぼす効果について検討した.これらの錯体触媒糸は,ジルコニウムに対し大過剰のトリイソブチルアルミニウムあるいはジエチル亜鉛を共存させることによりメタクリル酸メチルの重合を進行させたが,重合活性はシクロペンタジエニル配位子の構造に依存し,2>1>3>>4の順に低下することがわかった.また,錯体1および2では0℃においてリビング的に重合が進行した.リビング重合系においてジエチル亜鉛の効果を検討した結果,ジエチル亜鉛の添加量の増大に伴い,2では活性点数,生長反応速度ともに増加するのに対し,1では活性点数のみが増加することがわかった.一方,生成ポリマーの^<13>CNMR解析より,本研究で用いた非架橋型のジルコノセン錯体は,シクロペンタジエニル配位子の構造によらずいずれも末端規制によりシンジオタクチック構造に富むポリマーを与えることが明らかになった.
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