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1997 年度 実績報告書

環境応答性ポリマー表面の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09650993
研究種目

基盤研究(C)

研究機関静岡大学

研究代表者

稲垣 訓宏  静岡大学, 工学部, 教授 (30022015)

研究分担者 田坂 茂  静岡大学, 工学部, 助教授 (10134793)
キーワードポリマー表面 / グラフト重合 / 親水性 / 疎水性 / ポリテトラフルオロエチレン / テフロン / ビニルスルフォン酸
研究概要

本研究は、"温度、電界、光などの外界の環境の変化に応じて、ポリマー表面上の分子が即座に別の分子に置き代りが可能であることを実証することを目標に、空気から水へ環境が変化したとき、疎水性から親水性表面に可逆的に変化するポリマー表面を開発することを目的とした。研究目標を達成するために、つぎの研究計画を実行した。
プロジェクトA:環境応答性を有するポリマー表面を創製するために、プラズマグラフト重合によって親水性ポリマーを表面に埋め込む手法を検討した。
プロジェクトB:プロジェクトAで創製したポリマー表面の特性、特に親水性。疎水性を評価する。また、ポリマー表面上のグラフトポリマー鎖の凝集状態をも検討した。
プロジェクトAでは、疎水性表面を与えるポリテトラフルオロエチレン(テフロン)のポリマー基材表面に、水溶性モノマーであるビニルスルフォン酸をグラフト重合する手法を検討し、ビニルスルフォン酸のテフロン表面へのグラフト重合に成功した。プロジェクトBでは、このビニルスルフォン酸をグラフト重合したテフロン表面の表面特性を検討した。このグラフト重合によって、疎水性から親水性への表面特性の変化が見られるものの、期待値に達していないこと。さらには、顕微FTATRIRによるグラフトポリマーの表面のスペクトル変化より、テフロン表面上のグラフトポリマー鎖は表面上に均一に分布するのではなく、ある大きさで凝集して不均一に分布していることを結論した。この結論は、本研究の開発目標である環境変化に追従するポリマー表面の開発に新しいコンセプトを与えている。これらの研究成果は、Journal of Applied Polymer Science66巻77-84ページ(1997)に発表した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] N.Inagaki, S.Tasaka, H.Kawai, Y.Yamada: "Surface Modification of Aromatic Polyamide Film by Remote Oxygen Plasma" Journal of Applied Polymer Science. 64. 831-840 (1997)

  • [文献書誌] N.Inagaki, S.Tasaka, M.Makino: "Plasma Polymer Deposition from Mixture of Tetramethoxysilane and Oxygen on PET Films and thier Oxgen Barrier Properties" Journal of Applied Polymer Science. 64. 1031-1039 (1997)

  • [文献書誌] N.Inagaki, S.Tasaka, Y.Goto: "Surface Modification of Poly(tetrafluoroethylene)Film by Plasma Graft Polymerization of Sodium Vunylsulfonate" Journal of Applied Polymer Science. 66. 77-84 (1997)

  • [文献書誌] N.Inagaki: "Surface Modification by Plasma Treatment" Jpn.Journal of Tribology. 41. 1215-1224 (1996)

  • [文献書誌] 稲垣訓宏: "プラズマ,エキシマレーザーを利用した高分子表面の改質" 表面科学. 18. 543-548 (1997)

  • [文献書誌] 稲垣訓宏: "リモートプラズマ処理によるポリマーの表面改質" 日本接着学会誌. 34. 73-77 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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