• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

生体溶液モデルの構築とその工学的応用

研究課題

研究課題/領域番号 09650995
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋工業大学

研究代表者

木下 隆利  名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60135407)

研究分担者 吉水 広明  名古屋工業大学, 工学部, 助手 (10240350)
辻田 義治  名古屋工業大学, 工学部, 教授 (70016591)
キーワード両親媒性 / ポリペプチド / ポリエチレングリコール / ミセル / 可溶化 / 秩序構造 / 平面性溶質 / 生体溶液モデル
研究概要

疎水部に従来から用いられている長鎖アルキル基ではなく、疎水性のポリペプチドを配した両親媒性分子を合成した。親水部には汎用のポリエチングリコール(PEG;重合度 114)を用いた。ポリペプチドとしては重合度40のポリ(γ-メチル L-グルタメート)およびポリ(γ-ベンジル L-グルタメート)の2種類であり、それぞれPMG-PEG、PBG-PEGと略記する。電子顕微鏡観察、円二色性測定および広角X線解析により、水溶液中でこれらは直径約300Åの安定な球状会合体を自発的に形成し、その内部はα-ヘリックス構造のペプチド部が六法充填した秩序構造であることが判明した。従来にはない新規ミセル水溶液である。これらのミセルの物理化学的性質のひとつとして、溶質の可溶化挙動を半平衡透析法により評価した。その結果、各種溶質の可溶化平衡定数は長鎖アルキル鎖からなる従来のミセル系より約3桁高いこと、また鎖状の溶質よりもナフトールなどの平面性溶質の可溶化が著しく有利であることなどが明らかになった。またナフトールの可溶化はPMG-PEGよりPBG-PEGの方が大であり、平面性といった物理的因子にくわえ、芳香族環のπ-π相互作用なども可溶化を律する重要な因子であることがわかった。
以上の結果より、本研究が調製した新規ミセル系はヘリックス分子が配向した秩序構造とその側鎖の化学的性質に基づき、溶質分子を認識して可溶化するという高度な特異性を有することが示された。これらは本研究の目指す生体溶液モデルとしての条件を十分に満たすものである。次年度は可溶化挙動をさらに定量的に評価する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] T. Kinoshita 他2名: "Plotocentrol of Molecular Orientatim of a Pliutrespuasive Amphiphilic dehelix in a Lipid Monolayer" Lang muir. 13・6. 1616-1622 (1997)

  • [文献書誌] T.Kinoshita 他4名: "Controllable Orientation of the Peptide-based Surfactant at air-Water Interface" Chem Lett. 1997・5. 443-444 (1997)

  • [文献書誌] T. Kinoshita 他3名: "The Moledular Orientation of a Peptide-based Anphiphile at Hexane-Water Interface" Chem.Lett. 1997・8. 745-746 (1997)

  • [文献書誌] 木下隆利: "両親媒性ポリペプチドと分子膜システム" 高分子. 46・5. 335- (1997)

  • [文献書誌] T. Kinoshita: "Photorosponsire Mewbrane Systems" J.Photochem.& Photobiol.B. 42・1. 12-19 (1998)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi