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1997 年度 実績報告書

線偏光で架橋した高分子混合系に発現する異方性相分離とそのダイナミクス

研究課題

研究課題/領域番号 09650998
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都工芸繊維大学

研究代表者

宮田 貴章  京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (50188827)

キーワードポリマーブレンド / 光架橋 / 線偏光 / 相分離 / ラメラ構造
研究概要

本研究では、Polystyrene/Poly(vinyl methyl ether)(PS/PVME)ブレンドにおいて、片方の高分子鎖のみを線偏光照射によって選択的に架橋した。反応は、PS鎖にラベルしたアントラセンの分子間光二量化を利用した。まず、混合系の一相領域で、Xe-Hgランプ(500W)を用い、種々の条件下で照射した。得られた相分離構造を光学位相差顕微鏡によって観測し、画像処理法により、モルフォロジーの時間変化を観測・解析した。以下の結果が得られた。
(1)PSA/PVME(30/70)ブレンドの一相領域において、相境界の近傍で線偏光で架橋すると相分離は起こるが、モルフォロジーがランダムな変調構造にならず、偏光の電場ベクトルとほぼ垂直なラメラが発現したことがわかった。
(2)照射時間が永くなるとこれらのラメラが成長しながら、その方向が乱れていく。この成長過程はLifshitz-Slyosov-Wagner則に従い、その指数が偏光の電場方向との相対的な角度に強く依存していることがわかった。すなわち、偏光と垂直な方向では相分離が速く進行し、また平行の方向では、相分離は極めておそい。
(3)ブレンドのガラス転移温度近傍で一定の時間にわたって線偏光で架橋すると、混合系の相分離が抑制される。高温では、その小角X線散乱の強度が偏光の電場との角度に強く依存することがわかった。また、偏光との相対的な角度によって相分離速度が異なることもわかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] A・Harada, Q.Tran-Cong: "Modulated Phases observed in Reacting polymers with Competing Interactions" Macromolecules. 30. 1643-1650 (1997)

  • [文献書誌] A・Morita, Q・Tran-Cong: "On the Rotational Diffusion-Controlled Photo Reaction and Reaction Induad Birefringence" Physica A. 242. 377-390 (1997)

  • [文献書誌] Q・Tran-Cong, 他4名: "Positive Feedback Driven by Concentration Fluctuations in Asymmotricaly Photo-Cross-linked Polymer Mixtures" Phys.Rev.E. 55. R6340-R6343 (1997)

  • [文献書誌] Q.Tran-Cong, 他2名: "Suppression of Phase Leparation in Binary Polymer Mixtures Driven by a Reversible Chemical Reaction" Phys.Rev.E. 56. R59-R62 (1997)

  • [文献書誌] Q・Tran-Cong, 他4名: "Photo-Crosslin King Kinetico of Polymer Blends Undergoing Spinodal Decomposition Process" J.Applied Phymer Science. 67. 885-893 (1998)

  • [文献書誌] Qui・Tran-Cong, 他2名: "Symmetry-Breaking in phase Leparation of Binary Polymer Mixtures Ivradiated with Linearly Polarized Light" Phys.Rev.E. 57. R1243-R1246 (1998)

  • [文献書誌] Qui・Tran-Cong, 他2名: "Structure-and Properties of Multiphase Polymeric Materials" Marcel Aekker, 460 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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