研究課題/領域番号 |
09651017
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
西尾 茂 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (30208136)
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研究分担者 |
大塚 耕司 大阪府立大学, 工学部, 講師 (90213769)
池田 良穂 大阪府立大学, 工学部, 教授 (10117989)
奥野 武俊 大阪府立大学, 工学部, 教授 (60081395)
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キーワード | 画像計測 / 可視化 / 流場モデル / PIV標準画像 / 時空間微分法 / 相関法 / 速度計測 / 計測方程式 |
研究概要 |
可視化画像を用いた速度場の計測を行う際に、流体の力学的な支配方程式を考慮した新しい計測手法の開発を行った。一般に計測という行為は、温度や圧力などの物理量をセンサーなどにより水銀の膨張や電圧などといった計測可能な信号に変換し、前もって求められていた物理量と信号の関係から計測対象の量を求めることである。物理量と信号の関係を表わす式を計測方程式と呼ぶが、従来の粒子画像流速測定法(PIV;Particle Imaging Velocimetry)における計測方程式は、粒子象の移動に関するもののみを用いてきた。しかし、流体は力学的な法則に従って運動しているため、流体粒子の運動の物理的な法則を記述した方程式を計測方程式の一部として用いることが可能である。本研究ではこのような観点に基づいて、計測方程式に画像の変形ならびに移動に関する幾何学的な支配方程式と流体の力学的な方程式の両者を考慮することにより、従来と異なる新しい計測手法の開発に成功した。 研究期間の初年度にあたる昨年は、流場モデルを考慮した解析を付加した場合の妥当性についての検討を行い、PIV標準画像を用いた精度評価を行った。本年度は、初年度の実績をふまえた上で実用化の可能性を検討した。時空間微分法は計測方程式が微分方程式で記述されているため、力学で記述される運動方程式と同様の扱いが容易である。この点に着目し、本研究では画像の幾何学的な相関条件と力学的な運動条件をもとに計測システムの構築を行うことにより、流場モデルを考慮する意義を明確にした。さらに、流体粒子の移動過程を単純に直線的に結ぶのではなく、流線の曲がりなどを考慮することにより、実用的なシステムの構築を行うことができた。
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