研究課題/領域番号 |
09651035
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 一関工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐野 茂 一関工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (20042195)
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研究分担者 |
二階堂 満 一関工業高等専門学校, 講師 (30218094)
小田嶋 次勝 一関工業高等専門学校, 教授 (20005375)
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キーワード | ガラス粉砕 / チューブミル粉砕 / 粒子形状 / 表面指数 / 球状化粉砕 / 形状指数 / 人工砂 |
研究概要 |
廃棄物処理問題の一つとして、ガラス瓶の再利用およびリサイクルを目的として、廃棄ガラス瓶の経済的粉砕システムの開発を目指した。本実験では、従来の高速衝撃式粉砕機では、摩耗の面でガラス粉砕をクリアできないと考え、新たにロッドの形状を考慮したチューブミルを製作し、JIS規格を満たすようなガラス人工砂の製造を試みた。本チューブミルは、最終的据付け面積が少し広くなるものの、構造が簡単で耐摩耗性材料の加工、使用が容易であるため、ランニングコストが低い。このチューブミルを用いての実験成果は、(1)ガラス瓶を粗砕し10mm以下を原料として粉砕実験したところ、粉砕産物の粒度分布はJISの規格内に収まる(およそ0.2〜5mm)。(2)さらに、形状の異なるロッドの組み合わせを変えることにより、粒度分布の調整も可能である。(3)課題のもう一つである産物の粒子形状については、螺旋状溝付きロッドを用いると、粒子同士の撹拌時間を長くすることがでるため、尖鋭部分の少ない粒子ができる。この粒子を手で握っても危害はない程である。(4)これらの粒子の形状を、粒子の輪郭の状態を表わすHausnerの表面指数の逆数で表わしたが、この指数の平均値が0.8より大きくなると、手に対する危害の度合いが小さくなり、およそ0.7以下では握った時の危害の度合が著しくなる。以上のように粒子の形状(指数)と危害の度合を検討した例は他に見当たらないが、実際にガラス粒子を取り扱う上で、この指数だけで人体に対する危害度を決定することは十分とは言えない。そこで本研究のもう一つの課題である、粒子の先端部分の鋭利さを測定する装置あるいは器具の開発を試みている。この装置については、引き続き平成10年度の研究課題とするが、大まかな構想は完成している。また、ガラス粒子を骨材とした時のコンクリート等の強度試験、さらには他の用途の開発も検討している。
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