• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1998 年度 実績報告書

雄性不稔細胞質と稔性回復遺伝子の関係を基軸とするダイコン類の遺伝的分化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 09660007
研究機関京都産業大学

研究代表者

山岸 博  京都産業大学, 工学部, 教授 (10210345)

研究分担者 野村 哲郎  京都産業大学, 工学部, 助教授 (50189437)
寺地 徹  京都産業大学, 工学部, 助教授 (90202192)
キーワード雄性不稔 / 稔性回復遺伝子 / ミトコンドリア / ダイコン
研究概要

前年度の成果に基づき、本年度は細胞質雄性不稔遺伝子の塩基配列多型の解析、RAPD特性によるダイコン類の分類およびダイコン類における稔性回復遺伝子とそのDNAマーカーの分布の調査を行った。
1. 細胞質雄性不稔遺伝子の塩基配列多型;ダイコンの雄性不稔遺伝子orf138の塩基配列を多くの栽培・野生ダイコンで比較した。得られた9タイプの多型のうち1つのタイプは野生ダイコンに広く分布しており、それが基本型と判断された。一方、栽培ダイコンに認められるorf138は特殊なものが多かった。このことから野生ダイコンで突然変異が起こった後にその細胞質が栽培ダイコンに導入されたことが明らかとなった。また塩基配列の詳細な比較により、東北地方、沖縄県および京都府で栽培されている在来品種に、ハマダイコンを母本とするものがあることが判明した。
2. RAPD特性によるダイコン類の分類;日本の栽培ダイコン、ハマダイコンおよび野生種R.raphanistrumについてRAPDの分析を行った。ハマダイコンは栽培ダイコンとは異なる一つのクラスターを形成したことから、独自の遺伝的特性を共有する一群の植物であると判断された。またR.raphanistrumは、ハマダイコン、栽培ダイコンとは大きく異なる特性を示した。
3. 稔性回復遺伝子とそのDNAマーカー;交配実験より、ハツカダイコン、ハマダイコン、R.raphanistrumに同一の稔性回復遺伝子が存在することが明らかになった。これらのそれぞれについて、稔性回復遺伝子と連鎖するDNAマーカーをRAPD法(一部AFLP法)で検索した。その結果、いずれについても複数のDNAマーカーが発見された。しかし得られたマーカーは上記3種類のダイコンで互いに異なっており、稔性回復遺伝子の周辺に遺伝的分化が生じていることが示唆された。また、稔性回復遺伝子のDNAマーカーを含む多くのRAPDマーカーを用いて、ダイコンにおける連鎖地図が作製された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] YAMAGISHI,H.: "Distribution and allelism of restorer genes for Orura cytoplasmic male sterility in wild and cultinated radishes" Genes & Genetic Systems. 73. 79-83 (1998)

  • [文献書誌] 山岸 博: "各種アブラナ科植物における細胞質雄性不稔遺伝子分布の検索" 京都産業大学 国土利用開発研究所 紀要. 20,(印刷中). (1999)

URL: 

公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi