研究概要 |
低投入条件における水稲の生産力ポテンシャルの向上を意図し,初期生長速度の遺伝的変異ならびのその要因を明らかにしようとする研究の第1段階として,平成9年度は広範な遺伝子型の収集・増殖および実験1「多数品種の初期生長速度の測定」の一部を実施した. 1,国内およびアジア諸国の新旧品種と在来系統,直播適性の優れる品種,近年育成された多収性品種を収集し,およそ120品種系統を滋賀県立大学研究水田において系統栽培した.初期生長の状況を圃場観察するとともにそれぞれの種子約200gを採種した. 2,本補助金による購入備品であるインキュベータを使用して,低窒素濃度条件における養液栽培を現在実施中である。培養液を入れた320×450×120mmバットに,播種穴に網を設置したスチロフォームを浮かべ,1穴5個体,1品種10穴に播種し,25/15℃(昼/夜温)の条件にて育成し,1週間間隔で,草丈および葉面積を調査している.この実験は,1回につき12品種として供試品種を変えて順次実施する. 3,2の実験は平成10年度も実施し,その後,特徴的な品種系統を選定して,実験2「初期生長速度の差異をもたらす要因の解析」(平成11年度)に供する.
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