研究概要 |
1.今後のバラの育種を進めるにあたって、重要な遺伝資源である日本産野生バラについて、分子生物学的手法により系統分類を行うことを目的に本研究を行った。手法には、葉緑体DNA上のmarK遺伝子の解析を用いた。 2.日本中から収集したバラの野生種の種子から植物体を育成した。 3.これらの植物体の葉からDNAを抽出した。抽出方法として、CTAB法を用い、新鮮な未展開葉を各種100mg提供した。本抽出法により、解折に有効なDNAが得られることが分かった。 4.marK遺伝子を増幅するプライマーを設計し、Johnson&Soltis(1995)により報告のあるプライマーのうち、trnK-3914FとtrnK-2Rが有効なプライマーであることが分かった。これらのプライマーにより、marK遺伝子を含む、約2500塩基対のtrnK遺伝子が増幅された。 5.4で得られたtrnK遺伝子を精製した。精製方法について、いくつかの方法を検討したところ、濃縮フィルター(セントリコン)により最も安定した精製結果が得られた。 6.精製したtrnK遺伝子遺伝子断片につき、matK-AF,matK-WF,matK-VF,matK-UF,matK-TFの5種のプライマーを用い、PCR反応させ、読まれたmatK遺伝子産物につきDNAシ-クェンサーにより現在、解析中である。
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