香川県高松市前田東町において無加温全面被覆栽培およびトンネル型部分被覆栽培されている‘藤稔'成木を用い、裂果の発生様相を調査た。なお、満開時と満開10日後にジベレリン25ppmによる無核化処理を行った。各々20果房を選び、裂果の発生率および発生部位を経時的に調査しました。同時に果粒横径、貫入抵抗による果皮硬度を調査した。また、各々の園の土壌pF値を毎日測定した。 その結果、全面被覆栽培において、裂果はベレゾーン期から発生し、ベレゾーン4週間後まで発生した。部分栽培においては、ベレゾーン1週間後から発生がみられベレゾーン4週間後まで発生した。全面および部分被覆栽培ともに発生初期から果底部裂果が断続的にみられ、発生後期には呆頂部裂果が発生した。収穫時の呆房当たりの裂果粒率は、全面被覆栽培が1.7%、部分被覆栽培が3.7%であった。また、収穫時の裂果房率については、全面被覆栽培が40%、部分被覆栽培が80%に達した。 全面被覆および部分被覆栽培ともにGAによる無核化処理を行ったために有核果のような際だった停滞期がなく連続的に肥大発育した。果皮硬度については、全面および部分被覆栽培ともにベレゾーン期頃から急激に低下し、ベレゾーン2週間後には収穫期のレベルまで軟化した。この果皮硬度の急激な低下期は裂果発生開始期と一致していた。 土壌pF値は、全面被覆栽培園の平均値は2.04、部分被覆栽培園の平均値は1.86と部分栽培園は全面被覆栽培園に比べ土壌pF値が高い傾向にあり、変動幅も部分被覆栽培が全面被覆栽培の約2倍であった。
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