研究課題/領域番号 |
09660041
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小林 勝一郎 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (40087606)
|
研究分担者 |
沈 利星 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (30272157)
臼井 健二 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (80087585)
|
キーワード | 環境負荷 / 雑草制御 / 土壌 / 他感物質 / dehydromatriaria ester / 植物生理活性 / 土壌水 / 物質吸着 |
研究概要 |
環境負荷の少ない雑草制御資材として他感物質の利用が注目され、その活性や作用性に関する研究が活発に展開されている。しかし、こうした研究は水耕等によって進められているにすぎず植物が実際に生育している場である土壌中における作用発現については不明である。本研究は、新たな他感物質を検索すると共に他感物質とされる化合物を供試し、土壌中における存在様式と作用発現との関係、ならびに、それらに対する土壌要因の関与機構の解明を目的とした。本年度に得られた成果は以下のように要約される。 1.セイタカアワダチソウの他感物質とされるdehydromatricaria ester(DME)を抽出し、その活性を調べた。寒天培地では強い活性が認められたが土壌に処理した場合には活性が著しく低下した。DMEは、土壌中においてはほとんどが土壌に吸着し、活性を支配する存在様式、すなわち土壌水中における存在量は処理量の3%程度であり、また、本植物が生育している土壌の土壌水中にはDMEは検出されなかった。 2.Mexican sunflowerからの水抽出物には他感物質と想定される物質が含まれることを見つけた。各器官からの水抽出物は、いずれも植物生理活性を示したが、茎および葉に比べ根からの水抽出物の活性が低かった。また、土壌中では活性が著しく低下し、これらも土壌吸着性が高いことが示唆された。 3.上記の結果から、土壌中に存在する他感物質の作用発現には土壌の物質吸着能が密接に関与しているが明らかになった。
|