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1998 年度 実績報告書

植物の常在微生物叢と病原菌の侵入・定着に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 09660045
研究機関静岡大学

研究代表者

瀧川 雄一  静岡大学, 農学部, 助教授 (90163344)

キーワード常在細菌 / 腐生細菌 / Pseudomonas fluorescens / Erwinia herbicola / 植物定着能力 / hrp遺伝子 / IAA合成遺伝子
研究概要

本年度は、主に植物病原細菌の病原性に関与する遺伝子のいくつかが、腐生細菌においてはその定着能力に関与しているのではないかという観点から、健全植物から分離された蛍光性Pseudomonas属細菌および病斑や傷害部位から分離されてはいるが病原性はなく腐性菌であると考えられたErwinia herbicola (Pantoea属)群細菌について、前年度に調べたhrp遺伝子のほか、IAA生合成遺伝子、ipdC 遺伝子などの存在をハイブリダイゼーションによって検出し、さらにそれらのクローニングを試みた。その結果Pseudomonoas fluorescensにおいてhrp遺伝子のクローニングに成功し、さらにそのかなりの部分においてシークエンスを明らかにすることに成功した。その結果、hrp遺伝子群の多くの領域が保存されていたが、病原細菌において過敏感反応を誘導するタンパクであるhrpZ遺伝子や、それを菌体から植物細胞内へ注入する針の役目を果たすハープ線毛であるhrpA遺伝子が欠落しており、このことがP.fluorescensを腐性菌たらしめているものと推察された。さらにこの遺伝子が定着に関与しているかどうかを調べるため、hrpS遺伝子相同領域にトランスポゾンを導入した突然変異株を作成することに成功した。同様にErwinia herbicola群の腐生細菌においてもhrp遺伝子、ipdC遺伝子のクローニングに成功した。現在この領域に変異を導入しているところである。この様にこれら遺伝子の定着への関与を完全に証明することは期限内に間に合わなかったが、あとは実際に植物体上での生存をみることで容易に結論に達するものと考えられる。本研究により、従来全く未解明であった腐性菌と病原菌の関係の解明に新たな方向性を打ち出したものと考える。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 瀧川雄一ら: "Pseudomonas fluorescensのhrp相同領域の解析" 日本植物病理学会報. 64. 596 (1998)

  • [文献書誌] 小林真樹・瀧川雄一: "Erwinia herbicola群細菌におけるhrp遺伝子相同領域の分布" 日本植物病理学会報. 64. 596 (1998)

  • [文献書誌] Takikawa et al.: "Cloning and characterization of hrp or hrc genes from Burkholderia glumae,Acidovorax arenae,Panfoea aglomerans pv.millettine Pseudrmonas fluorescens" Abstracts of Papers.7th International Congress of Plant Pathology. 1.6.3 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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