研究概要 |
1. エリシターにより発現が誘導される遺伝子の単離と構造解析 differential hybridization法によって単離されたエリシター応答性遺伝子のcDNAのうち、PRタンパク質とS-adenosylmethionine(SAM)の関連酵素のcDNAについて全塩基配列を決定した。これらのcDNAは今後エンドウの防御応答を評価する分子マーカーとして用いることが可能である。hsr(hypersensitivity-related)203Jに相同性を示したE86はタンパク質を生産させた結果、エステラーゼ活性を有することが、明らかとなった。また、新規DNA結合性Zn fingerタンパク質のcDNA E84はAAAA(A)G配列に結合すること、この結合配列は既単離のエリシター応答性遺伝子であるPSPAL1,2やPSCHA1,2,3,4,5のプロモーターにも存在することが明らかとなった。 2. サブレッサーにより発現が誘導される遺伝子の単離と構造解析 differential hybridization法によって単離されたサブレッサー応答性遺伝子の20個の候補cDNAをナイロンメンブランにスポットし、サブレッサー5時間処理、エリシター5時間処理、水5時間処理、サブレッサーとエリシターの混合5時間処理及び、コントロールとして無処理の上胚軸から調製されたRNAから作成されたDIG-cDNAプローブを用いてドットブロットハイブリダイゼーションを行った。その結果、クローンS64の遺伝子発現は、サブレッサー単独及びサプレッサーとエリシターの混合処理区においてのみ増高した。また、ノーザン解析によってもS64はドットプロットでの発現パターンが再現された。S64の全塩基配列を現在決定している。
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