1 作成したサルスベリうどんこ病菌の種特異的ブライマーの特異性および検出限界の検討 種特異的プライマーの特異性を検討するために、サルスベリうどんこ病菌を含む50種類以上の植物に発生するうどんこ病菌のrDNAのITS領域における塩基配列を解析し、サルスベリ上の付着糸状菌12種類を対象として、特異性を検討した結果、対象としたうどんこ病菌ではPCRの増幅産物は認められず、一方いくつかの付着糸状菌ではPCRの増幅産物バンドが検出されたが、バンドの位置および増幅程度がサルスベリ菌の場合とは明らかに異なることから、作成したプライマーがサルスベリうどんこ病菌に特異的であると判断された。 2 作成したプライマーを用いた植物芽中のうどんこ病菌の検出方法の開発 サルスベリからの芽からのDNAの抽出とPCRによる増幅の可能性を知るための予備的検討として、サルスベリの葉を対象に、ISOPLANT(DNA分離キット)を適用したが、PCRによる増幅が認められなかった。次に、DNA精製用のキアゲン力ラムを用いて検討した結果、良好な結果を得ることが出来た。現在、サルスベリうどんこ病の発病葉と無病葉を対象として、特異的プライマーの特異性を検討している。3 自然発生下でのサルスベリうどんこ病菌の発病経過 サルスベリうどんこ病の発病経過および芽内への感染を明らかにするために、自然発生下での発病経過の調査およびポット栽培したサルスベリでの接種試験を予定したが、昨年度は本病の発生程度が少なく、充分なデータを得ることが出来なかった。
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