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1998 年度 実績報告書

昆虫細胞培養系を利用した発現クローニングベクター開発のための基礎研究

研究課題

研究課題/領域番号 09660056
研究機関三重大学

研究代表者

小林 淳  三重大学, 工学部, 助手 (70242930)

キーワード発現クローニングベクター / 昆虫培養細胞 / 形質転換 / ショウジョウバエ / ヒートショックプロモーター / βガラクトシダーゼ / ピューロマイシン / 緑色蛍光タンパク質
研究概要

本研究では、昆虫培養細胞を利用した真核生物遺伝子発現クローニングベクター系の開発に必要な基盤技術の確立を目的として、バキュロウイルスベクター発現系についてはウイルスDNAをヘルパーとした発現クローニング用プラスミドベクターの構築、また、ショウジョウバエS2細胞発現系については、ピューロマイシン耐性細胞(pac)を同時発現する発現クローニング用ブラスミドベクターの構築を行い、以下の知見を得た。
1. バキュロウイルスベクターに関しては、昨年度構築した発現クローニングベクターpBM/Hpaと野生型ウイルスDNAをコトランスフェクションしたカイコ培養細胞BmN4のスクリーニングを行ったが、ウイルス感染細胞の崩壊により発現クローニングを断念せざるを得なかった。
2. S2細胞に関しては、昨年度作製したビューロマイシン同時発現ベクターに緑色蛍光タンパク質遺伝子を導入したpDhspGFP(pac^+)のトランスフェクションによる形質転換細胞S2(+GP)とpDhspGFP(pac^-)とpDhsp(pac^+)のコトランスフェクションによる形質転換細胞S2(+G,+P)の蛍光強度を測定し比較した結果、S2(+GP)の蛍光がS2(+G,+P)を大きく上回っており、同時発現ベクターの使用は発現クローニングにおける検出感度を高めるのに有効であることが判明した。一方、コトランスフェクション法に関しては、大腸菌のβ-ガラクトシダーゼ遺伝子を挿入したpDhspLacZ(pac^-)とpDhsp(pac^+)の量比が1:1あるいは1:10ならば、検出可能な発現量の形質転換細胞が得られるが、1:100ではほとんど検出不可能になるため、一度の発現クローニングにおいてスクリーニング可能なライブラリーの規模は、10〜100クローンの間に設定するべきであると判断された。
今後、これらの知見に基づき、効率的なスクリーニング技術の開発を行う。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Kobayashi,J.: "Baculovirus not only as an insect expression vector but as a gene transfer vector" Animal Cell Technology. 10 (印刷中). (1999)

  • [文献書誌] Takenaka,T.,J.Kobayashi,Y.,Matsuda,C.,Gong,M.Nagaya and T.Miyajima: "Evaluation of Splm insect cells using a novel baculovirus expression vector system employing the Hyphantria cunea NPV" Animal Cell Technology. 10 (印刷中). (1999)

  • [文献書誌] 小林 淳: "昆虫学-基礎と応用-(三橋淳也編)" 朝倉書店(印刷中), (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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