AI耐性植物作出の遺伝子として強酸性土壌である茶園土壌から分離同定したAI耐性糸状菌の研究に着手した。本研究ではその第一歩として、寒天培地上でAI100mMの耐性を有するAspergillus fumigatusを用い、まずAI存在下での生育速度、AIの吸着量と取込み量、菌体内タンパクの消長を調べることを試みる計画を立てた。現在得られている成果を以下に示す。 1)AI1mMのCzapek-Dox培地におけるA.Fumigatusの生育は、最大生育量(乾燥菌体重量)でAI無添加培養時の3割と少なかったが4〜6日でほぼ定常期に到着し、容器内壁に分生子も見られた。 2)菌体g当たりの取込み量は13mg、吸着量は1.0mgと高い値を示した。 3)AIの添加培養すると、等電点(p1)8.0、推定分子量23000のタンパクが出現した。 現在、それらのタンパクの消長がAIの濃度に依存しているのか、あるいはAIストレスによるものか、を解明中である。
|