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1997 年度 実績報告書

乾湿が土壌コロイド粒子に及ぼす影響の界面化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 09660069
研究種目

基盤研究(C)

研究機関福井県立大学

研究代表者

北川 靖夫  福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (90254242)

研究分担者 伊丹 勝彦  福井県立大学, 生物資源学部, 助手 (60275089)
キーワード土壌コロイド / 土壌の乾湿 / 粘土鉱物学 / 界面化学
研究概要

土壌試料を採取する圃場として、有機物含量と粒度分布の異なる細粒質〜中粗粒質灰色低地土の水田を数点選定した。いずれも当該地域では典型的な連作水田である。試料は落水後土壌が乾燥する前に採取し、以降の実験に備えて生土のまま低温保存した。一般理化学性の分析結果より、CEC(陽イオン交換容量)は10〜20comlkg^<-1>、pHは5.2〜7.1の範囲であった。主要粘土鉱物として細粒質水田ではハロイサイトが、粗粒質水田では雲母及び緑泥石が卓越していた。実験室内で田畑転換及び輪換を再現するため、湿土を風乾し再び湛水して土壌の変化を追跡したが、単に湛水するだけでは十分な還元状態が得られず、未処理の土壌と比較しても有意な変化は認められなかった。そこで還元剤を添加することによって湛水平衡中の土壌試料の酸化還元電位を現場の水田に近いレベルに維持することとし、各種処理試料を調整した。その結果、以下のような知見が得られた。
○還元処理後全土壌においてFe酸化物の全量は減少したが、土壌の変異荷電の発現に深く関わっていると考えられる活性な非晶質Fe酸化物画分が相対的に増加していることが酸化物の形態別抽出によって明らかになった。
○還元処理後有機物含量が減少し、C/N比の変化から有機物の質的変化も示唆された。減少した有機物は主として溶脱したFeと結合していたものと推察された。
○無処理の土壌試料と風乾処理・還元処理後の土壌試料の粒度分布をレーザー回折法によって測定した結果、有機物の少ない土壌は処理によって最大粒度領域が顕著に変化したが、有機物の多い土壌はその変化が著しく少なかった。
現在土壌の荷電特性と粒度分布の変化との関係を明らかにすべく、実験を継続中である。

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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