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1998 年度 実績報告書

アンモニア酸化細菌のマルチヘム蛋白質の構造生物学

研究課題

研究課題/領域番号 09660076
研究機関金沢大学

研究代表者

福森 義宏  金沢大学, 理学部, 教授 (60135655)

研究分担者 田中 信夫  東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50032024)
キーワード呼吸酵素 / シトクロム / ヘム / アンモニア / ヒドロキシルアミン / ニトロソモナス / 硝化 / 呼吸鎖
研究概要

(1) トクロムc-554とチトクロムc-552のX線結晶構造解析
一般に、蛋白質の立体構造の解明は、その分子量でなく結晶の性質に依存する。私たちが解明したヒドロキシルアミン酸化還元酵素の分子量は約210,000であるが、分子量約26,000のチトクロムc-554と分子量約12,000のチトクロムc-552については、分子構造は明らかとなっていない。そこで、本年度は両チトクロムcの結晶化を検討した。その結果、チトクロムc-552についてはアモルファス沈澱を得ることができたが、チトクロムc-554については、全く結晶を得ることができなかった。
(2) ルチヘム蛋白質分子内及び分子間電子伝達機構の解明
ヒドロキシアルアミン酸化還元酵素の反応機構に関してはヒドロキシアルアミンが“NOH"を中間体として、亜硝酸に酸化されるモデルが一般に受け入れられている。すなわち、2回の2電子酸化反応が酵素分子内で迅速に進行することがきわめて重要であると考えられる。しかしながら、酵素分子に含まれる電子伝達成分はすべてヘムであり、1電子伝達体である。一方、その電子受容体であるチトクロムc-554もヘムcを4分子持つマルチヘム蛋白質である。本年度は、立体構造の情報に基づきヒドロキシアルアミン酸化還元酵素の電子伝達機構を明らかにすることを試みた。その結果、酵素1分子内にある8個のヘムは、ヘムクラスターを形成しており、3ヘムクラスターが1個、2ヘムクラスターが2個および1ヘムが1個という形で分子内に分布していた。特に、3ヘムクラスター内の1つのヘムは基質結合部位であることから、分子内では3ヘムクラスター→2ヘムクラスター→2ヘムクラスターの2電子伝達がすみやかに進行するヘム配置が保持されていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 五十嵐教之 他: "ヒドロキシルアミン酸化還元酵素の構造と機能" 生化学. 70(6). 441-446 (1998)

  • [文献書誌] A.Higashibata 他: "Studies on the respiratory system in alkaliphilic Bacillus a proposed new respiratory mechanism" Extremophiles. 2. 83-92 (1998)

  • [文献書誌] Y.Nakajima 他: "Purification and characterization of a [3Fe-4S][4Fe-4S]Type Ferredoxin from Hyperthermophilic archaeon,Pyrobaculum islandicum" J.Biochem.123. 521-527 (1998)

  • [文献書誌] T.Noguchi 他: "Iron reductase for magnetite synthesis in magnetotactic bacterium Magnetospirillum magnetotacticum" J.Bact. 印刷中. (1999)

  • [文献書誌] T.Fujiwara 他: "Oxygen Homeostasis and Its Dynamics" Springer-Verlag Tokyo, 620(591-596) (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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