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1997 年度 実績報告書

てんかん症の遺伝的素因と発作を誘発する外部刺激との相互作用の分子的基礎の解析

研究課題

研究課題/領域番号 09660078
研究種目

基盤研究(C)

研究機関名古屋大学

研究代表者

中野 紀和男  名古屋大学, 生物分子応答研究センター, 助教授 (10023433)

研究分担者 湯浅 茂樹  千葉大学, 医学部, 教授 (70127596)
鬼頭 純三  名古屋大学, 医学部, 教授 (60022802)
キーワードてんかん / ELマウス / キノリン酸 / 神経毒
研究概要

E1マウスは日本で確立された代表的な遺伝性てんかんモデルマウスである。このマウスは「放り投げ」などの体位変換刺激(前庭神経刺激)を繰り返すことによって発病することがよく知られている。しかしこの刺激が遺伝的素因とどのように関わっているのか全く不明だった。われわれはこれまでにE1マウスの脳では神経伝達物質の一つ、グルタミン酸の構造類似体であるキノリン酸の合成が著しく高いことを初めて明らかにしている。そこで本研究に於いて、キノリン酸合成酵素のc-DNAをクローニングし、それをプローブにして脳での本酵素遺伝子の発現を調べたところ、脳での本遺伝子の発現は、初めは対照マウスと差がないが、「放り投げ」を繰り返すことにより著しく増大するという重要な知見を得た。しかも同じE1マウスでも、放り投げても本遺伝子の発現が増大しない個体は、けいれん発作を起こさないことも突き止めた。この事実は、当遺伝子の発現異常がE1マウスのてんかんの原因であることを強く示唆とともに、経験的に知られていた「放り投げ」の意味を明らかにしたものと考えられる。つまり、てんかんの二つの要因が直接関連していることが初めて明らかにされたものと思われる。われわれはまた、末梢組織では本遺伝子の発現は対照マウスと差がないことも見出し、当遺伝子の発現異常はE1マウスの脳だけに特異的であることを明らかにした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Nakagawa Y et al.: "Increased Expression of 3-Hydroxyanthranilate 3,4-dioxygenase." Brain Research. (in press). (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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