研究課題/領域番号 |
09660083
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 憲二 京都大学, 農学研究科, 助教授 (70109049)
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研究分担者 |
玉置 尚徳 京都大学, 農学研究科, 助手 (20212045)
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キーワード | 乳酸菌 / 細胞接着 / 糖脂質 / 膜糖鎖 / 受容体タンパク質 / Lactobacillus casel / クローニング / 乳酸菌セラピー |
研究概要 |
我々は有用な腸内細菌であるLactobacillus属乳酸菌がウイルスや病原性細菌と同様に宿主の細胞の膜上に存在する糖脂質の「糖鎖」に結合することを見出している。また、本科学研究費による昨年度の研究において、乳酸菌の菌体膜表層に“糖鎖を認識する受容体タンパク質"が存在することを見出し、本タンパク質について遺伝子クローニングを行った。本年度は、組換え大腸菌において発現した本タンパク質について解析した。 Lactobacillus属乳酸菌(Lactobacillus casei)の糖鎖受容体タンパク質の遺伝子を含む組換えプラスミドpR3Eを有する大腸菌DH5αを培養し、得られた菌体の無細胞抽出液についてnativegradientゲル電気泳動を行ったところ、L.caseiの受容体タンパク質とほぼ同じ分子サイズの位置に強くタンパク質が発現していることを見出した。L.caseiの受容体タンパク質はスフィンゴ糖脂質のG@@S2Al@@E2(Ga1β1-3GalNAcβ1-4Ga1β1-4Glcβ1-lCeramide)の糖鎖に強く接着するので、組換え大腸菌の無細胞抽出液にG@@S2Al@@E2を添加して、native gradientゲル電気泳動を行った後、抗G@@S2Al@@E2モノクローナル抗体を用いたImmunoblottingを行ったところ、発現タンパク質に相当する位置に微弱ながら染色が認められた。そこで、組換えプラスミドpR3Eを持つ大腸菌DH5・αとpUC18ベクターのみを持つ大腸菌DH5αをそれぞれLiClで処理した後、超音波破砕して、細胞表層画分と細胞質画分に分画し、それぞれについてSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動を行った結果、組換え大腸菌の細胞表層画分にも細胞質画分にも、L.caseiの受容体タンパク質と同じ分子サイズの位置にタンパク質のバンドが見られた。これらのタンパク質のN-末端アミノ酸配列を調べたところ 共にL.caseiの受容体タンパク質のN-末端アミノ酸配列と同じであった。この結果、本遺伝子の産物であるタンパク質が大腸菌の菌体表層画分と細胞質画分の両方に発現していることが確認された。一方、ベクターのみを持つ大腸菌には同じ位置にタンパク質のバンドは見出されなかった。また、本タンパク質をコードする遺伝子はL.caseciの染色体のみならず、細胞質内に存在するプラスミド上にもあることを見出した。
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