研究課題/領域番号 |
09660100
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
中森 茂 福井県立大学, 生物資源学部, 教授 (00254243)
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研究分担者 |
和田 大 福井県立大学, 生物資源学部, 助手 (00301416)
高木 博史 福井県立大学, 生物資源学部, 助教授 (50275088)
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キーワード | システイン / 含硫アミノ酸 / 大腸菌 / セリンアセチルトランスフェラーゼ / フィードバック阻害 / PCR / ランダム変異 / メチオニン |
研究概要 |
1. システイン生産 以下の方法でE.coliのシステイン生産株の造成に初めて成功した。 1) 主株の造成 システインを要求しかつ、システインの分解能を低下させた変異株をニトロソグアニジン処理で造成した。 2) 変異型セリンアセチルトランスフェラーゼ(以下SAT)遺伝子の合成とクローニング SATはシステインによるフィードバック阻害を受ける。この阻害を受けない変異型のSATの遺伝子を、次のa)、b)の方法でおこなった。 a) 野生型SATの256番目のMetを他の19種のアミノ酸残基で置換した遺伝子をPCRで合成し、プラスミドpBluescriptIISK+にクローニングした。 b) SAT遺伝子をprobeにerror-prone PCR法によって、ランダムに変異を導入してスクリーニングし、新たに7種の部位の異なる変異型SAT遺伝子を得た。 3) a)、b)で得たプラスミドを1)で得た宿主株に導入して形質転換株を得た。 形質転換株をグルコース3%等を含む培地で72時間培養し、a)からは約1.2g/l、b)からは約1.5g/lのシステイン生産を得た。また、これらの形質転換株ではSATのフィードバック阻害が野生株に比べて低下していることを示した。 2. メチオニン生産のメカニズム E.coliのメチオニンアナログ耐性株からメチオニンを1.0g/l生産する変異株を得た。この変異株ではメチオニン合成を調節するタンパク質、MetJ、の54番目のアミノ酸が野生株のSerからAsnに変化していることを明らかにした。 今後はさらにシステイン、メチオニンの合成調節の解明を進め、生産の向上を目指す。
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