研究課題/領域番号 |
09660110
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
降旗 一夫 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (20219091)
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研究分担者 |
吉村 悦郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10130303)
大久保 明 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20111479)
山崎 素直 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011982)
瀬戸 治男 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (10013335)
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キーワード | HMBC / Constant-time HMBC |
研究概要 |
HMBC法の問題点の一つは、プロトン-プロトンのJ-couplingを有するシグナルは、t_1の展開期においてプロトン-プロトンのJ-modulationを受け、F_1軸側の炭素シグナルの上にプロトン-プロトンのJ-couplingを検出し、線幅を広げてしまうことである。そのため、分離の悪い炭素シグナルが存在するときは、クロスピークの帰属が困難になることがしばしばある。この問題は、t_1軸のdigital分解能を増加することにより解決されることもあるが、digital分解能を増加すればするほど、J-modulationの効果は増大し、S/Nが低下する。この問題はHSQCタイプのパルスモードで、long rangeのHSQC(HSMBC)を測定すれば解決されると考えられるが、この測定は複雑なサンプルではS/Nが非常に悪くなり実用的ではない。この問題を解決するための新しい方法の開発として、constant time method HMBC法を開発し、新しい応用測定(CT-HMBC)を試みた結果、良好な結果を得ることができた。 CT-HMBC法の特徴は、通常のHMBC法にconstant time法を組合わせることにある。この方法によって、2D evolution time(t1)の展開期において、J-modulationの効果が一定となるため、スピン結合による展開が抑えられる。その結果、f1軸の分離能が著しく改善される。CT-HMBC法をモデル化合物としてmonazomycinに適用した結果、分離の悪い炭素シグナルの帰属が容易となることが判明した。また、感度の点でも従来法と同等の優れた結果が得られた。
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