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1997 年度 実績報告書

植物病原菌毒素生合成におけるC3単位付加による炭素炭素結合形成反応

研究課題

研究課題/領域番号 09660118
研究種目

基盤研究(C)

研究機関鳥取大学

研究代表者

中島 廣光  鳥取大学, 農学部, 助教授 (40144646)

研究分担者 濱崎 敞  鳥取大学, 農学部, 教授 (40032081)
キーワード植物病原菌 / 植物毒素 / 生合成 / Bipolaris sorokiniana / セスキテルペン / 酸素18標識リンゴ酸 / sorokinianin
研究概要

私達のグループは約5年前にBipolaris sorokiniana OB-25-1株が新規な植物毒sorokinianinを生産すること明らかにした.この毒素はセスキテルペンであるprehelminthosporolにC3単位が付加した構造の化合物であった.これまでに安定同位体標識した酢酸やコハク酸の投与実験,置換培養実験などが行われ,得られたデータからこのC3単位がTCA回路の酸由来であることが証明された.TCA回路の酸の中ではコハク酸,フマル酸,リンゴ酸,オギザロ酢酸等がC3単位の直接の生合成前駆体と考えられる。もし,酵素18標識したリンゴ酸の投与実験を行い,sorokinianinの2'位の水酸基が標識されるかされないかが分かれば,直接の生合成前駆体がコハク酸とフマル酸のグループ,リンゴ酸とオギザロ酢酸のグループの2つのグループのうちのどらかであるかが証明できよう.しかし,残念なことに,酢酸18標識したリンゴ酸は市販されていない.
そこで,今年度は,C3単位の直接の生合成前駆体を解明する研究の第1段階として,先ず酸素18で標識したリンゴ酸の調製を試みた.酸素18で標識した水(標識化率95%)中で,フマラーゼによるフマル酸からリンゴ酸の変換を試みたところ,標識されたリンゴ酸が約30%の収率で得られ,得られたリンゴ酸の標識化率は,FABMSの測定結果より85%と算定された.また,sorokininaninのアセチル化物を調製し,その高分解能質量分析とリンクドスキャンを行い,C_<22>H_<32>O_6(M^+)→C_6H_7O_4→C_4H_<32>O_2の開裂パターンを明らかにした.この結果より,酸素18標識リンゴ酸の投与後,単離されたsorokinianinをアセチル化して質量分析を行えば,sorokinianinの2'位の水酸基が標識されたかどうかが判定できることが分かった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] H.Nakajima: "Phytotoxins and related metabolites produced by Bipolaris coicis,the pathogen of Job's tears" Phytochemistry. 45. 41-45 (1997)

  • [文献書誌] H.Nakajima: "Cochliospicin A : a new metabolite related to spiciferinone,a phytotoxin of the fungus Cochliobolus spicifer" Journal of Natural Products. 60. 414-416 (1997)

  • [文献書誌] H.Nakajima: "Biosynthesis of sorokinianin a phytotoxin of Bipolaris sorokiniana : evidence of mixed origin from the sesquiterpene and TCA pathways" Tetrahedron Letters. 39. 1013-1016 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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