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1997 年度 実績報告書

摂食直後の組織タンパク質分解抑制因子の検索と作用機構

研究課題

研究課題/領域番号 09660126
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岩手大学

研究代表者

長澤 孝志  岩手大学, 農学部, 助教授 (80189117)

キーワード食餌タンパク質 / 筋原線維タンパク質 / タンパク質分解 / ロイシン / 3-メチルヒスチジン
研究概要

骨格筋タンパク質は体タンパク質の40%以上を占め、体タンパク質代謝に対してその恒常性を維持する重要な役目を担っていることから、様々な生理的な条件の変化でその合成速度と分解速度が変化する。骨格筋タンパク質の分解は摂食後数時間で顕著に制御されることをマウスで見出したが、本研究ではラットを用いて、抑制因子の検索を目的とした。Sprague-Dawley系雄ラットを1日3時間だけ飼料を摂取するように慣らさせた後に、20%カゼイン食または無タンパク質食を1時間だけ摂取させた。摂食前後および摂食3、6、12時間後にラットを屠殺して、血清と後肢筋を採取した。筋原線維タンパク質の分解の指標となる血清の3-メチルヒスチジン(MeHis)濃度は20%カゼイン食では3〜6時間後に50%程度減少し、その後上昇した。後肢筋からのMeHis放出速度(筋原線維タンパク質の分解速度)も血清MeHisと同様の変化を示した。一方、無タンパク質食を摂取させた場合にはこのような変化は認められなかったことから、摂食後の分解の抑制には食餌タンパク質が強くかかわっていることが示唆された。さらに、タンパク質含量を0、10、20、40%として摂食後の筋原線維タンパク質の分解速度を測定したところ、摂取タンパク質の濃度依存的に分解が抑制された。いずれの場合も血清インスリン濃度は摂食直後に顕著に上昇したことから、インスリンが分解抑制に直接関与していないと考えられた。20%カゼイン食に20%カゼインに相当するロイシンを添加して同様の実験を行ったが、分解抑制効果は認められなかった。しかし、血清ロイシン濃度が40%カゼイン食摂取時より顕著に少なく、タンパク質とアミノ酸の吸収が異なることが示唆され、ロイシンが分解抑制に関与しているかは明らかにできなかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 長澤孝志, 平野順子, 西澤直行: "ラットにおける摂食後の筋肉タンパク質の分解" 必須アミノ酸研究. 148. 11-16 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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