研究概要 |
1.B.cereusを胞子形成培地で培養すると菌体内IMPDH活性は、胞子形成の初期段階である対数後期までは増加したが、るこれ以降低下した。胞子を形成できない栄養豊富なYE-EMM培地中では、本酵素活性は、菌の増殖とともに増加し続けた。対数増殖期の菌体をYE-EMM培地から飢餓培地に移して胞子形成を誘導すると本酵素活性は急激に低下した。このとき、菌体内GTPは、飢餓培地に再懸濁後1時間目には対数期の5%まで低下したが、さらに1時間後には対数期の50%まで回復した。 2.B.cereus菌体の超音波破砕上清からを硫安分画、Blue-Cellulofineカラムによるアフィニティークロマトグテフィー、イオン交換クロマトグテフィー、HPLCによるゲルろ過によりIMP脱水素酵素を電気泳動的に均一に精製した。本酵素のSDS-PAGEによる分子量は、56kDa,ゲルろ過による分子量は225kDaであり、単一のサブユニットから構成される4量体であると推定された。本酵素の最適pHは9〜10、イノシンヌクレオチドに対して特異性を示し、他のヌクレオチドとは反応しなかった。本酵素のN末端アミノ酸配列は、Met-Trp-Glu-Ser-Lys-Phe-Valであり、大腸菌IMPDHのN末端アミノ酸配列と高い相同性を示した。
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