研究概要 |
Bacillus cereusを飢餓培地に移して胞子形成を誘導するとGTP合成経路の重要な酵素であるIMP脱水素酵素(IMPDH)の活性が急激に低下する。本研究では、胞子形:[成誘導時のB.cereusのIMPDH遺伝子発現調節機構について検討するため、本遺伝子ならびに上流域のクローニングと塩基配列決定を試みた。 B.subtilis guaB(IMP dehydrogenase)遺伝子中のIMP結合部位を含む1,311bpおよび798bpを増幅させるための2組のプライマーを合成し、B.subtilisゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。その結果、約1.3kbp、および0.8kbpの断片が増幅され、これらの塩基配列はguaB遺伝子の配列と一致した。これらのPCR産物をプローブとしてB.cereusts-4のゲノムDNAのSau3AI部分消化断片をEMBL3ファージベクターに組み込んで作製したゲノムライブラリーのスクリーニングを行った。ゲノムライブラリーから得られた陽性クローン15個についてファージDNAを調製し、数種の制限酵素で処理したところ、すべてのクローンでアガロースゲル電気泳動パターンが一致した。このうちのEMBL3GR-1とGR-2を種々の制限酵素で処理し、上述のプローブを用いたサザンハイブリダイゼーションで強く発色したSalI+HindIII断片(約1kbp)について現在サブクローニングを行っている。また、B.cereusts-4のゲノムDNAのSau3AI部分消化断片についてサザンハイブリダイゼーションを行った結果、両プローブともに、,0.7kbpおよび0.9kbp断片とハイブリダイズした。これらについてもサブグローニングを行っている。
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