研究概要 |
B.cereusを胞子形成培地で培養すると菌体内IMPDH活性は、胞子形成の初期段階である対数後期までは増加したが、これ以降低下した。対数増殖期の菌体をYE-EMM培地から飢餓培地に移して胞子形成を誘導すると本酵素活性は急激に低下した。このとき、菌体内GTPは、飢餓培地に再懸濁後1時間目には対数期の5%まで低下したが、さらに1時間後には対数期の50%まで回復した。 B.cereus菌体の超音波破砕上清からを硫安分画、Blue-Cellulofineカラムによるアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、HPLCによるゲルろ過により、IMP脱水素酵素を電気泳動的に均一に精製した。本酵素のSDS-PAGEによる分子量は、56kDa、ゲルろ過による分子量は225kDaであり、単一のサブユニットから構成される4量体であると推定された。 B.subtilis guaB(IMP dehyodrogenase)遺伝子中のIMP結合部位を含む1,311bpおよび798bpをプローブとしてB.cereusts-4ゲノムDNAのSau3AI部分の消化断片をEMBL3ファージベクターに組み込んで作製したゲノムライブラリーのスクリーニングを行った。ゲノムライブラリーから得られた陽性クローン15個についてファージDNAを調製し、数種の制限酵素で処理したところ、すべてのクローンでアガロースゲル電気泳動パターンが一致した。このうちのEMBL3GR-1とGR-2を種々の制限酵素で処理し、上述のプローブを用いたサザンハイブリダイゼーションで強く発色したSalI+HindIII断片(約1kbp)について現在サブクローニングを行っている。また、B.cereus ts-4のゲノムDNAのSan3AI部分消化断片についてサザンハイブリダイゼーションを行った結果、両プローブとともに、0.7kbpおよび0.9kbp断片とハイブリダイズした。
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