ポリフェノールの抗酸化能 最近、植物成分が生体に対して生理機能調節や恒常性維持に貢献していることが注目されてきている。中でもフェノール系物質、特にポリフェノール類は、植物中に他種類にわたって存在することや、動物細胞に親和性が高いため、動物の生体機能に対して影響を及ぼしやすいと言われている。ポリフェノールは抗酸化性を持つとして知られているが、最近の研究でanti estrogen作用と同時にestrogen likeの作用を示すことが指摘された。そこで、10種類の植物抽出物の抗酸化活性をin vitroで検討した。 チオバルビツール酸法で水相の、TLCプレートを用いた分光光度法で脂質相の抗酸化能およびESRによるヒドロキシラジカル消去能を検討した結果、Solsoa Komarovi Iijin.(オカヒジキ)とPorturaca Oleracea L.(スベリヒユ)に安定した抗酸化活性、ラジカル捕捉作用およびキレート不活性作用がみられた。 ポリフェノールと腸内細菌 ポリフェノールの摂取により腸内有用菌とされる乳酸菌やビフィズス菌の生育には有効な影響が考えられるものの具体的な現象は認められていない。そこで、in vitro、in vivoにおける具体的な検討として腸内構成菌のポリフェノール添加への影響を検討した。その結果、ポリフェノールは乳酸菌などのグラム陽性菌の生育を阻害せず、大腸菌群などのグラム陰性菌の生育を阻害することがわかった。
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