研究概要 |
平成9年度: (1) リゾチームーグルコース系(LG系)およびリゾチームーフルクトース系(LF系)では、グルコソン(GLCO)、3-デオキシグルコソン(3DG)、グリオキサール(GO)、メチルグリオキサール(MG)の2-オキソアルデヒド(2-OA)が検出された。GLCOとGOの生成には遷移金属イオンが重要であった。一方、3DGの生成には酸素が必要でないことが明らかとなった。 (2) 3DG2分子とN^ω-benzoylarginine amide(BzArgNH2)が1分子からなるS11を単離し、新規imidazoleと同定した。また、タンパク質で生成するリジンのε-アミノ基と3DGが反応したリジル-ピロピリジンを同定した。 平成10年度: (1) LG系、LF系、L-3DG系においてリジル-ピロピリジン、ペントシジンの生成量を測定し、LG系、LF系ではペントシジンが、L-3DG系ではリジル-ピロピリジンが多く生成した。 (2) 3DGを生理的条件下、50℃で反応では各種ヌクレオシドと反応させた結果、2'-deoxyguanosine(dG)との反応性が最も高かった。その主要な反応生成物(GA,GB)を3DGとdGがアミド結合した、N-(l-oxo2,4,5,6-hydroxy)-2'-deoxyguanosineのジアステレオマーと同定した。また、3DGとcalfthymusDNAの反応によってもGA,GBが検出された。また、3DGと同様な2-オキソアルデヒド(2-OA)であるグリオキサール(GO)の10μM添加以上で肝臓細胞に対し、細胞毒性が認められ、発ガンマーカーであるgulutathione-S-transferase mRNAも増大した。
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